現地調査の事
2022/05/16
GWも明けて深夜の耐震補強工事は、解体業者と左官屋さんとの日程調整をしつつ地道&地味~に進行中です。
そんな中でもこの所かなりのお問い合せを頂いて現地調査に伺っているのですが、オーナー様や販売店等の売主様、買主様等、多くの方に良く尋ねられるのが家が傾いた理由です。
実は傾いた理由は家の傾きを直すのに非常に大事な事で、なぜ傾いているのかがある程度理解できていないと沈下修正工事に向けて最適な工法が選択できないのです。予算が余りあるほどあって何でもアンダーピニング工法を選択するのであれば別ですが、誤った工法選定は数年先での再沈下発生の可能性が生じてしまいます。
現地調査の流れとしては、高台や傾斜地の擁壁や間知積みの造成地での場合では地盤補強工事の有無から始まり、築年数との関係も出てきますが宅地造成後どの程度期間を空けて建築工事を始めたのか、転圧状況、擁壁からどの程度離れた位置に建物が建っているのか。
平坦な住宅街でも元々の地盤が弱いエリアなのか、地下水位、周辺の建物や電柱等の状況や敷地内の地面の状態から埋設物の有無の可能性、周辺でのマンション建設等の大規模工事の有無をお施主様や販売業者様にヒアリングしながら図面と現地調査で判断して行きます。
その後に建物の傾きをオートレーザーレベルを使用して室内測定して行き東西南北、どの方向にどの位傾いているのかを図面に落としていきます。図面が無い場合もありますのでその場合は測定前に図面を書き込んでいきますので図面が無くても大丈夫です。
建物の状況や図面の有無により収納庫や点検口より床下に入って、床下の基礎のひび割れ等の状況や、土台の腐食等や床下の換気状態を確認します。
ここまで調べて時間にして1時間程度現地でお時間を頂き、状況判断と建物の傾きの理由、建物の築年や使用状況、オーナー様や売主様のご要望を考慮して御見積を作成いたします。
アンダーピニング工法と耐圧板工法の場合には、地盤の詳しい状態と支持層を確認するために地盤調査を行います。
口頭で「建物の㎡数を伝えるので家の傾きを直す概算金額を聞きたい」とお問い合せ頂くのですが、上記の様な総合した状況が判らないと概算の御提示も難しいのが実際の所で、例えば全く同じ建物が2棟あったとしても建物の建っている場所や状況が違えば工法や施工内容が変わってきますから同じ建物でも工事金額は大きく変わってきてしまいます。
建物の所在地と配置図、平面図、基礎図を拝見させて頂ければ参考程度の概算はお伝え出来ることもありますので、概算金額をご検討頂いた後に現地調査をご希望頂ければお伺いたします。
関東近県でのお問い合せが主でしたが最近は福島などの東北エリア、愛知県などの東海エリアでのお問い合せを頂くようになってきました。まだ暫くは夜間の繊維シート補強工事を施工して行きますが、フットワークの軽さは弊社の昔からのモットーですので遠方の御依頼でもお気軽にご連絡ください。