震災被害からの再生に向けて 石川県 富山県
2024/01/15
令和6年能登半島地震は、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.5の地震です。2024年1月1日に発生し、北海道から九州地方にかけて広範囲に震度6強以上の揺れを観測しました。
この地震による被害状況は、以下のとおりです。
- 死者・行方不明者:1,040人
- 負傷者:10,000人以上
- 全壊家屋:20,000棟以上
- 半壊家屋:40,000棟以上
- 道路の陥没・隆起:約1,000箇所
- 鉄道の脱線・不通:約100箇所
- ダムの決壊:1箇所
- 火災:約100件
被害の中心となったのは、石川県能登地方の志賀町です。志賀町では、最大震度7を観測し、多くの家屋が全壊しました。また、道路の陥没・隆起や鉄道の脱線・不通など、交通インフラにも大きな被害が発生しました。
また、新潟県や富山県でも、震度6強以上の揺れを観測し、被害が発生しました。新潟県では、道路の陥没・隆起や家屋の倒壊など、主に液状化による被害が顕著でした。
この地震は、日本海溝沿いの海底地震であり、近年発生した地震としては最大規模の地震となりました。この地震は、日本海溝沿いの地震の危険性を改めて認識させ、今後の防災対策の重要性を浮き彫りにしました。
また、この地震では、液状化による被害が顕著でした。液状化は、地震の揺れによって地盤が液体状になる現象で、家屋の倒壊や損傷、道路の陥没や隆起などの被害を引き起こす可能性があります。この地震の教訓を踏まえ、液状化対策の強化が求められています。
液状化被害は、地震の揺れによって地盤が液体状になる現象によって引き起こされます。液状化が発生すると、地盤が沈下したり、隆起したりするなど、さまざまな被害が発生します。
家屋の被害
液状化によって地盤が沈下すると、家屋が倒壊したり、損傷したりすることがあります。また、地盤が隆起すると、家屋が傾いたり、沈下したりすることがあります。
道路や鉄道の被害
液状化によって地盤が沈下すると、道路や鉄道が陥没したり、隆起したりすることがあります。また、地盤が流動化すると、道路や鉄道がずれたり、崩れたりすることがあります。
インフラの被害
液状化によって地盤が沈下すると、上下水道や電気、ガスなどのライフラインが損傷することがあります。また、地盤が隆起すると、上下水道や電気、ガスの管が破損することがあります。
土砂災害の発生
液状化によって地盤が流動化すると、土砂災害が発生することがあります。土砂災害は、土砂が崩れ落ちる土砂崩れや、土砂が流れ出す土石流などがあります。
液状化被害を軽減するためには、以下の対策が有効です。
- 液状化のリスクマップの作成
液状化のリスクマップは、液状化が発生する可能性の高い地域を把握するためのものです。液状化のリスクマップを作成することで、液状化被害の可能性の高い地域を把握し、適切な対策を講じることができます。
- 液状化対策工事の実施
液状化対策工事には、地盤改良工事や、液状化対策基礎工事などがあります。地盤改良工事では、地盤の強度を高めることで、液状化による被害を軽減します。液状化対策基礎工事では、地盤が液状化しても建物が沈下しないように、基礎をしっかりと固定します。
液状化によって傾いた家を直すには、以下の2つの方法があります。
- 基礎ごと上げる
基礎ごと家を上げる方法は、最も確実な方法です。この方法では、基礎の下に杭を打ち込み、杭で家を持ち上げて水平にします。
- 土台から上げる
土台から家を上げる方法は、比較的安価な方法です。この方法では、土台の下にジャッキをかけて、土台を持ち上げて水平にします。
どちらの方法を選択するかは、家の構造や傾きの程度によって異なります。
地震で建物が傾いてしまった場合でも家の傾きを直す沈下修正工事を行うことで元通りに復旧し安心して住む事が出来ます。
主な沈下修正工事の工法として
鋼管杭圧入工法
基礎の下に鋼管杭を打ち込み、油圧ジャッキで基礎ごと建物を持ち上げる工法です。鋼管杭は、建物の荷重を支える支持地盤まで打ち込まれます。
- 耐圧板工法
基礎の下に耐圧板を敷設し、油圧ジャッキで基礎ごと建物を持ち上げる工法です。耐圧板は、鋼板やコンクリート板などで作られた板状の構造物です。
- 土台上げ工法
基礎と土台の間に油圧ジャッキをセットして度台から上を持ち上げて平らにする工法です。
沈下修正工事を行う際には、まず建物の傾きや地盤の状況を調査して、適切な工法を選択する必要があります。また、工事には専門的な知識と技術が必要となるため、信頼できる施工会社に依頼することが大切です。
罹災証明の取得に向けて
罹災証明は、被災した住宅や家財の被害状況を証明する書類です。この証明書は、被災者支援策の申請や保険金の請求などに必要となります。
罹災証明は、被災した市町村の役所で交付されます。申請には、以下の書類が必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
- 住民票の写し
- 被害状況が分かる写真や図面など
申請手続きは、各市町村によって異なります。詳しくは、被災した市町村の役所にお問い合わせください。
罹災証明には、以下の2種類があります。
- 住家被害罹災証明
住家被害罹災証明は、住宅の全壊、半壊、大規模半壊、中規模半壊、小規模半壊、一部損壊のいずれかの被害を受けた場合に交付されます。
- 家財被害罹災証明
家財被害罹災証明は、家財の全損、半損、大規模半損、中規模半損、小規模半損、一部損壊のいずれかの被害を受けた場合に交付されます。
罹災証明の交付には、申請から1~2週間程度かかる場合があります。
補助金・助成金制度
令和6年能登半島地震で被災した住宅の復旧には、以下の3つの方法があります。
- 国や地方自治体の補助金や助成金を受ける
- 保険金を受け取る
- 自己負担で修理する
国や地方自治体の補助金や助成金
国や地方自治体では、災害の被災者を支援するために、補助金や助成金の制度を設けています。補助金や助成金の対象となるのは、被災した住宅の所有者や居住者です。
国では、災害救助法に基づいて、被災した住宅の応急修理や再建費用の一部を補助する制度があります。また、住宅金融支援機構では、被災した住宅の再建費用の低利融資制度を設けています。
地方自治体では、国とは別に、独自の補助金や助成金の制度を設けている場合があります。
保険金を受け取る
住宅を火災保険や地震保険に加入している場合は、保険金を受け取ることができます。保険金の額は、保険契約の内容によって異なります。
自己負担で修理する
補助金や助成金、保険金だけでは、住宅の復旧に必要な費用が賄えない場合は、自己負担で修理する必要があります。
住宅の復旧には、以下の手順で進めます。
- 被害状況の調査
まず、住宅の被害状況を調査します。被害状況を把握することで、復旧に必要な費用や工期を把握することができます。
- 見積もり依頼
次に、復旧工事の見積もりを取ります。複数の業者に見積もりを取ることで、費用や工期を比較検討することができます。
- 工事契約
見積もりの内容を検討し、納得できる業者と工事契約を結びます。
- 工事着工
工事契約が完了したら、工事が始まります。工事期間中は、仮住まいの確保や生活費の確保などの準備が必要です。
- 工事完了
工事が完了したら、工事検査を受けます。工事検査に合格したら、住宅の引き渡しを受けることができます。