擁壁と家の傾き
2023/12/19
傾斜地や擁壁がある土地での家の傾きは、地盤沈下や建物の老朽化、擁壁の劣化など、さまざまな原因によって発生する可能性があります。
- 地盤沈下
地盤沈下とは、地盤が地面から沈み込む現象です。地盤沈下によって、建物が傾いたり、建物にひびが入ったりすることがあります。地盤沈下は、地震や雨水の浸透、地下水の減少などによって引き起こされることがあります。
- 建物の老朽化
建物の老朽化とは、建物が経年によって劣化していく現象です。建物の老朽化によって、建物が傾いたり、建物にひびが入ったりすることがあります。建物の老朽化は、建物の素材や構造、メンテナンスの状態などによって進行速度が異なります。
- 擁壁の劣化
擁壁とは、土砂の崩壊を防止するために設置される壁です。擁壁が劣化すると、土砂が崩壊して建物が傾いたり、建物にひびが入ったりすることがあります。擁壁の劣化は、雨水の浸透や地震などによって引き起こされることがあります。
擁壁とは、土砂の崩壊を防止するために設置される壁です。擁壁には、さまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。
主な擁壁の種類
- RC造擁壁
RC造擁壁は、鉄筋コンクリートを用いた擁壁です。強度が高く、安定性に優れているため、幅広い用途に使用されています。
- 間知ブロック積擁壁
間知ブロック積擁壁は、ブロックを積み上げて作る擁壁です。工期が短く、コストが比較的安いため、住宅や道路などの敷地整備によく用いられています。
- 大谷石積擁壁
大谷石積擁壁は、大谷石を用いた擁壁です。耐久性に優れ、風化や腐食に強いため、古くから用いられています。
- 石積擁壁
石積擁壁は、石を積み上げて作る擁壁です。風景に馴染みやすく、景観を重視する場所によく用いられています。
- 木製擁壁
木製擁壁は、木材を用いた擁壁です。木材の温かみや風合いを生かした擁壁にしたい場合に用いられます。
擁壁の構造
擁壁には、以下の2つの構造があります。
- 重量式擁壁
重量式擁壁は、自重によって土砂の圧力を支える擁壁です。RC造擁壁や大谷石積擁壁などが、重量式擁壁に分類されます。
- もたれ式擁壁
もたれ式擁壁は、土砂の圧力によって自重を支える擁壁です。間知ブロック積擁壁や石積擁壁などが、もたれ式擁壁に分類されます。
擁壁の用途
擁壁は、さまざまな用途に用いられています。
- 道路や鉄道の盛土の支え
道路や鉄道の盛土の支えとして、擁壁が用いられます。
- 住宅や商業施設の敷地の整備
住宅や商業施設の敷地の整備として、擁壁が用いられます。
- 河川の護岸
河川の護岸として、擁壁が用いられます。
- 土砂災害の防止
土砂災害の防止として、擁壁が用いられます。
擁壁は、土砂の崩壊を防止するために重要な役割を果たしています。擁壁の種類や構造、用途を理解し、適切な擁壁を選択することが大切です。
傾斜地や擁壁がある土地での家の傾きを確認するには、以下の方法があります。
- 目視による確認
建物の外観や内部を、目視で確認します。建物の傾きが大きい場合は、目視で確認することができます。
- 水平器やレーザーレベルによる確認
水平器やレーザーレベルを使用して、建物の傾きを測定します。
- 専門業者による調査
専門業者に依頼して、建物の傾きを調査してもらいます。
傾斜地や擁壁がある土地での家の傾きが確認された場合は、その原因を特定し、適切な対応策を検討する必要があります。原因によっては、建物の解体や、擁壁の補強などが必要になる場合があります。
傾斜地や擁壁がある地盤での様々な様々な要因によって傾いた建物も、沈下修正工事を行うことで元通りに復旧して住む事が出来ます。
主な沈下修正工事の工法として
鋼管杭圧入工法
基礎の下に鋼管杭を打ち込み、油圧ジャッキで基礎ごと建物を持ち上げる工法です。鋼管杭は、建物の荷重を支える支持地盤まで打ち込まれます。
- 耐圧板工法
基礎の下に耐圧板を敷設し、油圧ジャッキで基礎ごと建物を持ち上げる工法です。耐圧板は、鋼板やコンクリート板などで作られた板状の構造物です。
- 土台上げ工法
基礎と土台の間に油圧ジャッキをセットして度台から上を持ち上げて平らにする工法です。
沈下修正工事を行う際には、まず建物の傾きや地盤の状況を調査して、適切な工法を選択する必要があります。また、工事には専門的な知識と技術が必要となるため、信頼できる施工会社に依頼することが大切です。
家を建てる際には、地盤の種類や性質を把握した上で、適切な基礎工事を行うことが大切です。